心理学のOK牧場
「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」
というのは「嫌われる勇気」で有名なアドラー心理学の根底に流れる概念ですが、皆さんはOK牧場って聞いたことがありますか?
「ガッツ石松さん」が浮かんだ方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)
実は心理学にも OK牧場があるんですよ。
今日は対人関係における心理的なポジションであり、人や人生に対する基本的な構え、態度である
OK牧場についてお伝えします。
これを理解すると 自分の現実に起こっていることがよく理解できますので、是非最後までお付き合い下さいね。
OK牧場とは?
OK牧場(下図)はアメリカの精神科医フランクリン・アーンスト氏が1971年に考案した、人生態度のマッピングツールですがこの中の「① I am OK, you are OK.」 (私もOK.あなたもOK)は
対人関係における 最も理想的な姿と言われます。
それぞれのポジション
①のポジションは 私はOK、あなたもOK。
②のポジションは 私はOKじゃない、あなたはOK。
③のポジションは 私はOK、あなたはOKじゃない。
④のポジションは 私もあなたもOKじゃない。
現実の牧場の牛たちが一か所にとどまり続けることがないように、私たちもまたどれか一つのポジションに留まり続けるわけではありません。
思考の状態によって4つのポジションを移動していきますが、人によって居心地のいい ポジションがあります。
皆さんはどのポジションに 居ることが多いでしょう?
それではそれぞれのタイプの特徴を 細かく見ていきましょうね。
それぞれのポジションの特徴
①私はOK、あなたもOKタイプ
☆このタイプは自己肯定、他者肯定タイプで次のような特徴があります。
・理想とされる姿勢
・相手に不快感を抱くことがない
・ありのままの自分を表現できる
・喜びの感情を感じていることが多い
・幸せがどんどん拡大していく
②私はOKじゃない、あなたはOKタイプ
☆このタイプは自己否定、他者肯定タイプで次のような特徴があります。
・自信がなく、受け身で不安が強い
・相手の言うことに従うことが多い
・ストレスがたまりやすい
・高圧的な態度をとられやすい
・いつも助けてもらう立場になりやすい
③私はOK、あなたはOKじゃない
☆このタイプは自己肯定、他者否定タイプで次のような特徴があります。
・排他的で攻撃的、被害妄想的
・他者をコントロールしようとする
・怒りの感情を感じやすい
・人の世話を焼いたり面倒をみる役回り
・周囲の人に対して説教臭くなる
④私もあなたもOKじゃない
☆このタイプは自己否定、他者否定タイプで次のような特徴があります。
・自閉的で虚無的
・人生を不毛なものだと思う
・人間関係を築こうとしない
・不幸せのスパイラルに入る
いかがですか?実はこの「基本的な態度」は無意識に深く刷り込まれているため人間関係にも大きく影響を与えるんですね。
基本的な態度と引き寄せる人間関係
なぜこの基本的な態度が、人間関係に大きな影響を与えるのでしょうか?
それは人は自分が信じていることを無意識に証明しようとするため、知らずのうちに信じている基本的態度を強化していきます(これを強化行動といいます)
ですから無意識に自分が付き合う人も選ぶことになり以下のような組み合わせで引き合うんですよね。
引き合う組み合わせ
①と①
①の人は、自分も相手も OKであることを証明するためには、相手が①の人でなければなりません。
②と③
②の人は自分がOKじゃなく相手がOKであることを証明するには 、③の人が必要であり 、同様に③の人も自分がOKで相手がOKじゃないことを証明するには 、②の人が必要です。
④と④
④の人は、自分も相手もOKじゃないことを証明するためには、相手が ④の人でなければなりません。
こういった心理的なポジション(基本的な態度)は主に幼少期の体験によって作られると言われ、それがその後の人生に対する基本的な態度になります。
人間関係の問題の原因
こうやって見てみると人間関係のお悩みや問題の原因というのは、実はどちらかにあるのではなく、両方にあるのだということがわかります。(どちらが正しいということではありません)
しかしこれは要するに自分の「基本的な態度」が変われば引き合う相手も変わるということであり、 それはいつからでも 変えることが出来るということです。
まずは自分が無意識にどんな基本的な態度を持っているのかを知ることが、改善の一歩になります。
さあ、あなたも無意識の態度を変容させ良好な人間関係を築いていきましょう。
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