執着の光と影──甲子園から学ぶ心の仕組み

「苦しみの正体は執着である」
ブッダがそう語ったのは有名なお話ですが、心理学的にもこれは多くの研究で裏づけられています。
執着とは、心が「こうでなければ」と強く握りしめること。
過去の経験や深く根づいた思い込み(ビリーフ)が、私たちの認知や感情を縛りつけることで生まれます。

目次

執着の「光」と「影」

執着は一見、悪いもののように語られることもありますが、実は「光」と「影」の両面を持っています。
いまちょうど夏の甲子園は決勝を迎えています。
高校球児たちが一球に込める想いは、まさに執着の「光」。

「絶対に勝ちたい」「最後までやり抜きたい」という強いこだわりがあるからこそ、人は自分の限界を超えて挑戦することができます。
心理学では、これを「達成動機づけ」と呼びます。

情熱やこだわりは、私たちの成長や成功の大きな原動力になるのです。
けれど、そのこだわりが過剰になり、「勝たなければ意味がない」「失敗してはいけない」と思いつめてしまうと──
執着は「影」に変わります。

これは臨床心理学でいう「認知の硬直化」に近い状態。
視野が狭まり、不安や自己否定を強め、心が苦しくなってしまうのです。

手放すことは諦めではな

では、執着を手放すとはどういうことでしょうか。
それは「諦める」ことではなく、「委ねる」ことに近い感覚です。
本当に大切なものは、強く握らなくても離れてはいきません。
むしろ、握りしめるほどに心は疲れ、可能性が狭まってしまいます。

水面に浮かぶ木の葉が、流れに身をまかせて自然に進んでいくように、私たちの心も、力を抜いたときに本来の流れへと戻っていきます。

執着をやわらげるための小さな工夫

心理カウンセリングでもよく用いられる方法の中から、すぐにできる工夫をいくつかご紹介します。

  • 深呼吸して、身体の緊張をゆるめる
  • 「今、この瞬間」に注意を戻す(マインドフルネス)
  • 「大丈夫」と自分に声をかけ、自己肯定を促す
  • 今日あった安心や喜びをノートに書き留める

これらは小さな実践ですが、心の柔軟性を取り戻す大切な一歩になります。

どうしても手放せないときは

しかし、どうしても執着から抜け出せない場合もあります。
それは「ビリーフ(深い思い込み)」や「過去の傷つき体験」が心の奥に残っているサインかもしれません。
こうした執着は、本人の努力だけではなかなか解けないことも多いのです。

そのときに役立つのが、心理カウンセリング。
安全な場で心を整理し、ビリーフを少しずつ緩めていくことで、執着の影にとらわれることなく、光の部分を活かす生き方が可能になります。

まとめ

甲子園の球児たちが見せてくれるように、執着には人を突き動かす力があります。
けれど、握りしめすぎれば苦しみに変わる。
だからこそ「光は生かし、影は手放す」という心の柔軟さが大切です。

もし今、手放せない想いに苦しんでいるなら──どうか一人で抱え込まず、ご相談ください。
その執着を「力」に変えるサポートをさせていただきます。
今日のあなたが、自分の情熱を大切に抱きながらも、心はしなやかに、やさしく過ごせますように。





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