迷いやすい人が決断できない本当の理由― 想像力と脳の安全システムの話 ―

「なかなか決められない」
「決めたあとも不安になる」
「もっと正解がある気がして動けない」
こうした状態が続くと、自分を優柔不断だと責めてしまう方が少なくありません。
けれど実は、決断できない背景には“能力不足”ではなく、ある心の働きが関係しています。
迷いやすい人ほど想像力が強い
迷いやすい人の特徴のひとつは、未来を具体的に思い描けることです。
・うまくいかなかった場合
・誰かが困る可能性
・失敗したあとの人間関係
・後悔している自分
こうしたシナリオを、かなりリアルに想像できます。
これは弱さではなく、想像力と共感力の高さのあらわれです。
ただし、この力は同時に不安の予測能力も高めます。
脳は「成功」より「安全」を優先する
ここで重要なのが、脳の仕組みです。
私たちの脳は基本的に「成功」よりも「安全」を優先します。
未知の選択肢は、脳にとっては小さな“危険信号”です。
とくに想像力が豊かな人ほど、リスクを細かく察知できるため、脳は強くブレーキをかけます。
つまり、決断できないのは意志が弱いからではなく、安全システムが正常に働いているからなのです。
よくある対処法の落とし穴
ここで多くの人が試みるのが、「じゃあ、うまくいく未来を想像しよう」というポジティブ思考です。
しかし、“完璧な未来”を描こうとすると、
・本当にそうなる?
・保証はある?
・もし違ったらどうする?
と、再び不安が浮上します。
なぜなら脳は、保証のない未来を信用しないからです。
本当に決断を止めているもの
決断を止めているのは、不安そのものではありません。
多くの場合、「失敗=価値が下がる」という無意識の前提です。
この前提があると、
・間違えられない
・後悔できない
・評価を落とせない
という心理が働き、慎重さが強まります。
つまり、迷いの正体は自己価値と失敗を結びつける思い込みなのです。
前提は、自分ひとりでは気づきにくい…
「多少ずれても大丈夫」
そう思えたら楽なのに、それがなかなか腑に落ちない。
それは意志が弱いからではありません。
多くの場合、「失敗=価値が下がる」という前提が無意識の深いところにあるからです。
この前提は、
育ってきた環境
評価された体験
傷ついた出来事
そうした積み重ねの中で静かに形づくられています。
だからこそ、頭で理解するだけでは変わりにくい。
決断力とは何か
決断力とは、迷わない力ではありません。
迷っても、自分との関係を壊さない力。
多少ずれても価値は変わらないと信じられる力。
迷いやすい人は、もともと繊細で誠実です。
だからこそ、「間違えないこと」よりも「揺れても戻れること」に意識を向けると、決断は少しずつ軽くなります。
おわりに
何度も同じところで立ち止まっているなら、それは意志ではなく前提の問題かもしれません。
前提はあなたを苦しめるためではなく、守るために作られたもの。
その役目を理解したとき、結びつきは自然に緩みます。
「失敗=価値が下がる」が「失敗しても価値は変わらない」
へと更新される。
すると決断は、がんばらなくても少しずつ軽くなります。
ひとりでは見つけにくい前提も一緒にほどいていけますよ。
必要な方に、届きますように。
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