誰が人生のハンドルを握っているのか

私たちは日々、「自分の人生を生きたい」と願います。
けれど実際のところ、そのハンドルを握っているのは、いつも同じ“自分”とは限りません。
状況や感情によって、運転席に座る「内なる自分」が変わります。
心理学的には、これを自我状態の切り替わりといいます。
そのハンドルを誰が握るかによって、現実の感じ方も、人生の流れも、まったく変わってくるのです。
恐れの自分がハンドルを握るとき
この時、ハンドルを握っているのはインナーチャイルド(内なる子ども)です。
心の奥に残る不安や寂しさ、「もう傷つきたくない」「嫌われたくない」という思いが、大人になった今もハンドルを握っていることがあります。
・人の反応を気にして本音が言えない
・挑戦よりも安全を選んでしまう
・「失敗=自分の価値が下がる」と感じる
この段階の運転は、慎重で守りが強い。
けれど同時に、視野が狭くなりやすいのです。
世界が“危険な場所”に見えてしまうのは、過去の痛みを避けようとする心の自然な防衛反応です。
理想の自分がハンドルを握るとき
次に運転席に座るのは、インナーペアレント(内なる親)です。
「こうあるべき」「頑張らなきゃ」という声で、子どもの不安をカバーしようとします。
・もっと努力しなければと焦る
・完璧にできないと落ち込む
・他人の基準で自分を判断してしまう
この段階は、自己成長の力が強く働いています。
心理学では、条件つきの自己肯定感とも言われ、「理想を追う」ことを通して自分を育て直している段階です。
ただし、“足りない自分を補うため”の努力が続くと、やがて心が疲れ、燃え尽きやすくなります。
本質の自分がハンドルを握るとき
そしてある瞬間、ふと気づくのです。
「もう、がんばらなくてもいいのかもしれない。」
このとき、運転席にいるのは、統合された意識=ワンダーチャイルド(Wonder Child)。
傷ついた子ども(チャイルド)と、頑張る親(ペアレント)が和解し、本来の創造性・直感・喜びが戻ってきます。
・結果よりプロセスを楽しめる
・不安の中にも静かな安心を感じられる
・誰かをコントロールせず、共に創っていける
本質の自分がハンドルを握ると、人生は「思い通り」ではなく「本質通り」に流れはじめます。
どの自分も、間違いではない
恐れの自分は、守るために。
理想の自分は、育つために。
本質の自分(ワンダーチャイルド)は、喜びを表すために。
どの段階も尊く、すべてがあなたの旅の一部。
恐れの自分が握ると、過去を避けるための運転。
理想の自分が握ると、未来を追いかけるための運転。
本質の自分が握ると、“いま”を味わう運転。
どれが正解ということではありません。
大切なのは、「いま、誰が運転しているか」に気づくこと。
その瞬間、すでに本質のあなたが目を覚ましています。
それでもハンドルを渡せないときは
それは、ビリーフ(無意識の思い込み)の影響かもしれません。
「幸せになってはいけない」
「頑張らないと価値がない」
「人を信用してはいけない」
こうした深い信念が心に残っていると、本質の自分がハンドルを握りたくても、恐れや理想の自分が手を離せないのです。
ビリーフは、過去の体験から生まれた“安全装置”。
悪者ではなく、あなたを守ろうとしていた優しい仕組みです。
でも、もう十分守ってくれたのなら、そっと「ありがとう」と伝えて、ハンドルを返すときが来ています。
ビリーフが変わると、人生の手触りが変わる
ビリーフチェンジを通して、「恐れの声」と「本質の声」を区別できるようになると、人生の運転感覚がまったく変わります。
コントロールしなくても、進める。
予定通りでなくても、安心していられる。
思い通りではなくても、ちゃんと満たされる。
本質の自分がハンドルを握るとき、人生は“努力で動かすもの”から、“流れと共に進むもの”に変わります。
さいごに
深呼吸をして、心にそっと尋ねてみましょう。
「いま、このハンドルを握っているのは、どの自分だろう?」
もし、「手放したいのに怖い」と感じたら、それはビリーフがあなたを守ろうとしているサインです。
その思い込みをやさしく見つめ直すことから、ワンダーチャイルド=本質のあなたが前に出る道が開かれます。
「頭ではわかっているのに、ハンドルを渡せない」
「手放したいのに、なぜか怖くて動けない」
そんなときは、無意識に働くビリーフ(思い込み)を丁寧に見つめ、“本質のあなた”へハンドルを返していくセッションを行っています。
恐れの声と本質の声を整理しながら、あなた自身のリズムで運転を取り戻していきましょうね。
*体験セッションのお申し込みはこちらから
